「やりたいことがある人は未来食堂に来てください 」- 小林せかいさんの思考に触れられる

未来食堂さんは、数年前に、「元クックパッドのエンジニアが作る新しい食堂」というような記事を見て知ったと思う。食堂にも伺ったことがあるが、働いている場所との関係もあり、1度お邪魔しただけだった。

食堂を経営されていて、この本の著書である「小林せかい」さんは、「事業計画や収支の公開」や「あつらえ/まかない」などの新しい仕組みをやられていて、なんとなく、好きな考え方、共感できる方だなぁと思っていた。

本作で、既に3冊目の著作とのことだけど、本を出されていることは知らなかった。今回、たまたま、本屋で見つけて手に取ってみた。

この本は、「小林せかい」さんが、「やりたいことがあるけど、どのように始めたらよいか」と考えている方に、「何かを始める方法」を、1つずつ丁寧に、語りかけるように伝えてくれている本。 ともすれば、ドライに感じるだろうことも、小林さんの経験談やその裏側の考えを元に語ってくれているので、正しく理解ができる。

また、小林さんの思考や大事にしていることが、よく分かる本で、その多くが、共感できるものであり、僕自身も大事にしていることだった。こんなワードに共感した人には、おすすめできます。

  • 当たり前と思われていることを解体する
  • 問題点と恐怖を混同しない
  • お客様に関係がない、無駄なことはやめる
  • 徹底的に既存から学ぶ
  • 必ずしも満点である必要はない
  • 改善せざる得ない状況を作る

中でも、僕が強く共感したのは、「5倍ルール。自分が提供したい内容の5倍の値段のものに慣れ親しむこと」という考え方。

僕自身も若い頃、高価な商材を扱っている営業の方と商談してみたり、高級ホテルでランチを食べたりしていた。そこから言葉の使い方や立ち振舞いなどを観察しつつ、学んでいた。 僕自身がビジネスマンとして未熟だったし、当時は諸先輩方の多くも若い会社だったので、どのようなものが世の中の正解か分かっていなかった。 自分が想像できないものや、自分が完成形を見えていないことをやろうとすると、非常に非効率になってしまう。だからこそ、「既存のベストプラクティス」から、十分に学ばせていただくことが重要だと思っている。もちろん、この本にも書かれているけど、値段だけではなく、ある一定の基準を超えたものから真摯に学ぶということが重要だ、ということです。

「新しく何かを始めたい人」はもちろん、「小林せかいさんの世界観に共感している人」には、おすすめの本です。